無職、無収入でもクレジットカード審査に受かる?
無職で無収入になってしまった後に、クレジットカードが必要になったとしたら簡単に持てると思いますか?
「1円も収入がない」なんて言うと、ニートや引きこもりなど「本人に働く意思がない」とネガティブに捉えられてしまうことが多いです。
ですが実際には、
- 突然のリストラや雇い止め
- 急に襲い掛かってくる予期せぬ病気や怪我
- 親の介護の為の離職
など、自分でコントロールできない範囲で、誰もが職を失いお給料が貰えなくなってしまう事態が起こりえます。
なので、上記のような無職・無収入の状況は誰もが経験する可能性があります。
そんな状況になった時にクレジットカードの審査には通るものなのでしょうか?
今回の記事ではそのあたりを深く掘り下げて見ていきます!
※仕事を辞めることが予定としてわかっている場合は、収入がなくなる前にクレジットカードを数枚確保しておくことをお勧めします!
「1円も稼いでいない無収入」の場合
クレジットカードの審査は、各カード会社ごとに厳格に設けられた審査基準に従って行われます。
ですが結論から言ってしまうと、各社の審査基準に違いがあろうと、無収入の場合はどんなことがあってもクレジットカード審査には通りません。
その点を把握した上で先に進んでいきましょう!
審査基準についての簡単なおさらい
大抵の場合は、
- 年齢
- 在職年数
- 収入額
などをランク化していくスコアリング方式がとられており、一定のスコアに達成しなかった場合は「審査落ち」としてカードの発行がなされません。
審査基準の、
- 勤続年数○年以上でプラス何点
- 持ち家でプラス何点
- 社会保険未加入でマイナス何点
というような細かな点数付けのルールに関しては全てのカード会社が公開をしていません。
逆に、最低限の基準として公開されている情報もあります。
多くは「入会資格」という形で、
- 年齢:満18歳以上
- 安定した収入(パート・アルバイト可)
のようにその会社のクレジットカードを申し込む為に、少なくともこれだけは満たしておかなければならないという基準が設けられています。
簡単に言えば上記が「審査基準の概要」なのですが、大事なのはやはり「安定的な収入があるかどうか?」に尽きると言っても過言ではありません。
無収入の場合は基本的に審査落ちします
ほとんどの場合、上記の入会資格の中に「毎月安定した収入がある方」という記載があります。
このため、無収入の状態では支払い能力なしとされ審査には通らないのです。
安定した収入とは、正社員ではなく、パートやアルバイト(フリーター)、派遣社員、自営業、どのような形態で働いていても大丈夫です。
意外な盲点ですが、雇用の形態はそこまで厳密に問われないのです。
一般的なカード会社は、年収の足きりラインを120万〜200万程度と設定していることが多いので、どのような雇用形態でもクリアすることができるからです。
もちろん、ある程度の勤続年数を重ねている正社員の方は、しっかりとした信用情報となり、審査にはプラスに働きますが、「安定した収入」ほどの重要度ではないということですね。
自分に収入はない専業主婦(夫)はどうすれば?
無収入の人が絶対にクレジットカードを作れないとなると、困ってしまうのは専業主婦(夫)の方です。
自らに賃金収入がないだけで世帯には収入があるにも関わらず、本当に専業主婦(夫)たちはクレジットカードを持つことができないのでしょうか?
ご安心ください。
確かに、ゴールドカードのような高機能な付帯サービスがついたカードを作るのは専業主婦(夫)には厳しいのですが、「家計を担っている主婦の方にこそ、メインでカードを作り頻繁に使ってほしい」と願っているカード会社はたくさんあります。
その代表的な例が、「流通系カード」です。
例えば、
- ネット系の楽天カード
- 大型スーパーやデパートが発行しているクレジットカード
などです。
専業主婦(夫)でスーパーマーケットやデパートに買い出しに出かけることが多い方なら、店頭や店舗の片隅に設置されたクレジットカード受付デスクと、その前で呼び込みをしている職員を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
専業主婦(夫)の方がクレジットカードを作る場合は、世帯の収入を担っている配偶者の信用を借りて申し込みをすることになるので、お申し込み欄には配偶者の勤務先や収入額を記入する必要があります。
つまり、配偶者に安定した収入があればOKということです。
先にあげた流通系のカードなどは、提携スーパーマーケットで日用品などを買いに来るときにカードを使ってほしいため、主婦を囲い込むのに積極的です。
審査も銀行系のカードなどよりは断然通りやすいので、専業主婦にも作りやすいカードと言えます。
学生の場合は?
それでは同じく収入がない(少ない)学生の場合はどうでしょうか?
日常生活で高額決済をすることはあまりないにしても、普段の買い物でポイントを貯めたり、卒業旅行で海外に行く時用にクレジットカードを作っておきたいものです。
アルバイトをしている学生であれば、それが少ない収入額だとしても安定的な収入として認められて、審査に通ることができます。
しかし、真面目に学業に専念しているが故にアルバイトもできず、完全無収入の学生がクレジットカードを作れないとなると少し悲しいですよね。
でも、これも大丈夫です。
各クレジットカード会社には「学生カード」というものがあり、収入のない学生の場合はこちらを作ることができます!
この学生カード、一般カードに比べて審査はとても簡単です。
アルバイトなどの収入がなかった場合は堂々と、申込書の年収額欄に「0」と記入してOKなんです。
各クレジットカード会社は学生会員の獲得にはとても積極的だからです。
なぜなら、早いうちから会員として囲い込んでおき、社会人になったときにたっぷり使ってほしいからです。
学生向けの審査が簡単なのはこのためなんですね。
ただ一点だけ注意が必要なのは、学生カードの場合、審査は親権者のクレジットヒストリーに影響されることがあるという点です。
万が一両親がクレジット料金の滞納などを頻繁に繰り返していたりすれば、その影響を受けて子供の学生カードが審査落ちする可能性もありますので、くれぐれも注意しましょう。
年金生活者の場合
年金を受給している方の場合は、カード会社によって対応が異なります。
つまり、クレジットカードの発行は可能ということです。
詳しくは「年金暮らしの方がお申し込みをした場合」にまとめましたのでチェックしてみてください。
家族カードという選択肢も
- 専業主婦
- 学生
- 年金受給者
の方の場合、安定収入のある家族がいるのなら、「家族カードを作る」という選択肢もあります。
例えば、収入のある夫名義のクレジットカード(代表カード)を作り、専業主婦である妻はその家族カードを持つということです。
クレジットカード番号も夫のカードとは違うものが振られて、名義人も奥さんのものになりますが、
- 請求書は夫(代表カードの名義人)宛
- 家族カードを含めた利用分の支払いも代表者の銀行口座から引き落とし
となります。
つまり家族の方に信用力(安定収入)がなくても家族カードを持てるようにする代わりに、信用力のある代表者が全ての責任を負うという仕組みで、家族カードは成り立っています。
クレジットカード審査に通らない家族がいる場合は、検討してみてください。
生活保護を受けている場合
それでは、生活保護を受けている場合はどうでしょう。
生活保護を受けているということは、生活費の支給を受けていることにはなりますが、それを「安定的な収入として認めて良いのか?」という点が判断の分かれ目になりそうです。
ズバリ答えは「発行は大変難しい」です。
クレジットカードの所持は法的には合法ですが、使用は違法の可能性もあるからです。
なんだかとてもややこしいですね。項目別に見ていきましょう!
発行は大変難しい
まず、申込時に「生活保護世帯である」ことを申告してしまうと、100%審査には落ちます。
なぜなら生活保護制度を利用するためには、
- 土地、家屋、自動車等の資産を全く持っていない
- 金銭的な援助を行ってくれる身内や親類がいない
- 病気や怪我などで働くことができない
- 上記の条件を満たしており、児童手当や年金等の収入があるが、厚生労働省が定める最低生活費を下回っている(生活扶助費としての支給)
という要件を満たす必要があるからです。
つまり、生活保護を受ける人の属性は「定職についていない」「有職者でも収入が大変低い」ということです。
これではクレジットカードの入会基準である「毎月の安定的な収入」を満たしていませんし、スコアリング審査的にも通るべくもありません。
また、「無職」という属性が高い確率で審査落ちになるであろうことは明白です。
このため、生活保護受給者が新規にカードを作るのは大変困難と言えます。
所持するだけなら合法
クレジットカードにもさまざまな種類があります。
「低属性カード」と呼ばれているものは、スコアリングで高得点を得られないような低所得者、勤続年数の短い人などでも、返済能力があると見なされれば発行される可能性が高いため、申告の仕方によっては生活保護受給中でも手にすることができます。
けれどちょっと待ってください!
実は取得後に、大きな落とし穴があるのです。
使用すると違法になる?
晴れてカードが到着した!これでやっと買い物できる…と決済に使ってしまうと、それが「生活保護の不正受給」とみなされ違法行為となる可能性があるのです。
生活保護の受給者は制度上、借金をすることができません。
カードローンや代金後払いのクレジットカード利用は収入と同様のものとみなされるため、次月の生活保護費で減額される可能性があります。
また、生活保護費の中からクレジットカードやカードローンの借金を返済されていることは禁止されています。
万が一返済をしてしまうと、「返済分だけの資産がある」ということの証明となり、生活保護法で禁止されている「資産の形成」に該当する可能性があるため、最悪の場合保護打ち切りとなることもあり得ます。
これは受給中に新規作成したカードだけではなく、受給開始前から持っていたカードにおいても同じことです。
重々注意してください!
例外的に使用が認められることも
ただし、クレジットカードは今や日常生活に欠かせないものとなってきているのも事実です。
- インターネットプロバイダの料金支払い
- 公共料金の支払い
など、保護受給中の就職活動や日常生活に必要とみなされた場合の使用については、自治体によっては認められることもあります。
一概にすべてのクレジットカード利用が即違法というわけではなく、自治体やケースワーカーによってかなりの裁量の余地があるため、心配な場合はまず確認をしてから使用しましょう。
働いてないけど収入あります:不労収入がある場合
家賃や不動産などによる収入がある場合はどうでしょうか。
例えば、仕事を引退したあと、再就職はしていなくても安定した資産を持ち、不労収入を取っている人というのも多いものです。
この場合は、職業を「不動産賃貸業」などで申告すると、一定収入のある自営業者とみなされるため審査に通る可能性は高くなります。
カード会社から見ても、不動産から得られる収入というのは途切れる可能性が非常に少ない恒久的なものですし、額もある程度まとまった額であることが多いため、スコアリングでは高めの属性に位置付けているのでしょうね。
無職だけどお金いっぱい持ってます:貯金や資産がある場合
銀行口座に貯金がたくさんあっても、これまでの説明の通り、一定の収入がないと審査に落ちる可能性は高くなります。
ただし多くの貯金や資産がある場合は、申し込んだクレジットカードの系列銀行との付き合いがプラスに働くこともあります。
また、多くの資産を持っていて、そこから利息などの定期的な収入が入るような場合は、不労収入を持っている場合と同様にみなされるため審査に通りやすいと言えます。
無職だけどパチプロ:ギャンブルやサイドビジネスで儲けている
これはもちろんNGです。
パチンコや競馬などのギャンブルは、どれだけ稼げていても定期的な収入とは言えません。
また副業、サイドビジネスによる臨時収入も同じことです。
「安定した収入がある」という最低要件を満たさないため、審査にはほぼ通らないでしょう。
ほぼ無職みたいな「自営業」という嘘はバレる?
無職では審査に通らないからといって、「自営業」と偽って申し込みをすることは当然虚偽申込となります。
してはいけないことですが、バレないと思って自営業を騙り申込む人も後を絶ちません。
カード会社も独自の方法で確認を取っていますし、虚偽申告は高確率でバレてしまいます。
一度バレたら最後、社内ブラック扱いとなり、その会社の申込みには永遠に通らないという可能性も出てきてしまいます。
友人が、知人がバレなかったからといって自分もバレずに逃げ切れるという確証はありません。
犯罪に当たりますので絶対にやめておきましょう。
まずは先に職探しを!
ではどうしたらよいのでしょうか?
最もお勧めなのは、派遣会社を活用することです。
派遣会社に登録した時点で、「派遣社員」という有職者にみなされます。
実際に派遣先で勤務していなくても、登録しているだけで勤務実績を積むことができるのです。
もちろん、登録したてだと在職年数が短くなるため不利なことには変わりありませんが、属性を偽らずに仕事をしないままカードを発行してもらうには有効な手段と言えます。
よくある質問
ネットで調べると確かにそのような噂はあるのですが、実際には審査には通りません。
楽天カードが登場したての頃は「審査甘い」と言われていた時期もありましたが、今は標準的な審査難易度となっています。
楽天カードの詳細はこちらで解説しています!
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