返済額を減額できる和解とは?
クレジットカードの和解とは、返済出来なくなった借金を債権者(お金を貸した側:つまりカード会社)と交渉して返済額を減額してもらうことです。
きちんと返済するつもりであっても収入面で問題があって、計画通りに進まずに悩んでいる方も多くいらっしゃいます。
- 多重債務に陥ってしまったり
- 返済の督促に怯えて暮らしたり
- 支払わずに逃げてしまったり
する前に専門家に相談してみましょう!
きちんと解決することが出来ます。
また、すぐに行動に移す前に、まずは和解についての仕組みを知ることが大切です。
ここではクレジットカードの和解についての方法やメリット・デメリットについて解説していきます!
和解の方法
冒頭でもお伝えした通り、クレジットカードの和解とはクレジットカードを利用したけど、事情があり返済出来なくなってしまった場合に、債権者であるカード会社と交渉し、返済額を返済可能額まで法的に減額する制度です。
その制度を任意整理とも言います。
任意整理とは?
多くの方は借金が返済できないと破産(自己破産)するしかないと思われているようですが、借金の整理にはいくつかの種類があります。
まず借金が返せなくなった時に行われるのが「債務整理」です。
その債務整理には複数の種類があって、
- 任意整理
- 民事(個人)再生
- 自己破産
といったものが挙げられ、それぞれに特徴があります。
現在の借入金すべて返済するのは厳しいけれど、元金のみなら返済可能という場合なら任意整理が出来ないか検討してみると良いでしょう。
(今回でいう和解のことです)
なぜ減額できるのか?
なぜ減額が可能なのかというと、金利に関する2つの法律が関係しています。
金利に関する法律には、
- 利息制限法
- 出資法
が存在します。
「利息制限法」は金額に応じて15〜20%を上限とし、超えた分は無効となります。
一方、法改正がされる前の「出資法」には刑事罰があり、29.2%を上限とし、それを超えた金利を設定していた場合、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金または併科するとされていました。
つまり、利息制限法の金利を超えても出資法の利息を超えなければ刑事罰は科せらなかったのです。
これがいわゆる「グレーゾーン金利」と言われていたものです。
任意整理では取引開始にさかのぼり、利息制限法の上限金利に再度計算し直します。
これを引き直し計算と言います。
引き直し計算後、返済し過ぎていた過払い金分を元金に充当させ、原則この引き直し後の元金のみを分割返済していくことになります。
法定通りの金利だったら
貸金業者が利息制限法の上限金利を法定通りに設定している場合は、引き直し計算によって減額は出来ません。
その場合でも交渉によっては金利のカットができる場合もあります。
その場合は、
- 利息
- 遅延損害金
の免除がカード会社から提案されることが多いです。
つまり「利息やらな免除しますから、あなたが使った分(元金)だけは支払ってくださいね」という提案です。
これは非常に好意的な提案内容ですので、なるべくなら和解し、自分がカードを使った分だけは支払うのが良いと個人的には思います。
いつ和解を考えればいいの?
クレジットカードを使用した後、約束の期日に返済しなければ取立てが始まります。
取立てと言っても怖いものではなく、電話や手紙などで「返済が遅れているので早く返済して下さい」と督促をされるところから始まります。
その督促にも応じず、支払いをしないと裁判所から「支払い督促申込書」という通知が送られてきます。
この状態を放置しておくと強制執行されてしまう恐れがありますので、専門家に相談し和解を検討する段階に入ります。
和解の流れ
まず「支払い督促申込書」に対して、異議申し立てを行います。
支払い督促申立書に異議申し立てをすると、訴状、口頭弁論期日呼び出し状、答弁書などが送られてきます。
ご自身ですべてをやることも出来ますが、きちんとした和解交渉を考えると専門家にお願いした方が間違いがないです。
専門家と言っても誰に何を相談すればいいの?
任意整理はご自身でも手続きが可能です。
しかし、何も知らいないまま手続きをするよりも、きちんと専門家にお願いした方が良いでしょう。
では、誰に相談すれば良いのでしょうか?
相談であれば、
- 行政書士
- 司法書士
- 弁護士
が相談窓口となっています。
ただし、行政書士は代理権が認められていないので、書類の取り寄せや作成、アドバイスにとどまります。
また、司法書士は認定司法書士に限り、総債権額140万円以下であれば相談、交渉、訴訟が可能となります。
特に制限なくすべての手続きを行えるのが弁護士となります。
価格もそれぞれで異なります。
ご自身の状況に合った専門家に相談してみてください!
専門家が行ってくれること
正式に専門家へ依頼すると専門家から債権者(お金を貸した側)へ「受任通知書」を発送します。
弁護士に依頼した場合「弁護士介入通知」となる場合もあります。
これを送ることで、本人に対する取立てはなくなります。
「受任通知書」を送ると専門家の元へ「取引履歴」というものが送られてきます。
これを元に引き直し計算を行います。
計算が終わると、それを元に返済額を減らし、返済期限を定めた「和解案(弁済案)」を作成し、債権者に送ります。
ここで今までの遅延損害金や利息のカットなども提示します。
「和解案(弁済案)」に沿って専門家と債権者が交渉に入ります。
同意すれば無事和解となりますし、同意がなければ再び和解案を作成します。
各債権者が和解に同意をすると「和解書」を作成し、正式に和解成立となり和解案に沿った内容で返済開始となります。
和解後の返済内容
和解後の返済内容とはどのようなものになるのでしょうか?
和解の目的は、債務者(お金を借りている側)の無理のない範囲で返済をしてもらうことです。
債権者(お金を貸す側)も少しでもお金を返してもらいたので、一定の条件で返済額の減額を認めるのです。
つまりここでは、クレジットカードを使いすぎてしまった方が自分で返済できる程度に、カード会社が支払いを減額してくれるという意味になります。
期間
基本的には、確定した債務を長期の分割払いで返済をしていきます。
長期の目安は3年〜5年程度となります。
内容によっては、ある程度減額した額を一括払いとなることもありますし、3年未満となる場合もあります。
利息も支払うの?
和解の目的が、無理のない支払いとなるので、基本的には将来の利息をなくしてもらうというのが通常の和解内容となります。
和解のメリット
和解のメリットとしては、まず正式に専門家に依頼することで、債権者からの督促や取立てがなくなります。
交渉や計算はすべて専門家が行いますので、本人は手間もかかりません。
任意整理は裁判所を通さずに直接交渉となりますので、比較的手続きも簡単に行われます。
破産と違い財産も残りますし、支払い可能な範囲での交渉なりますので、和解後の生活も無理なく送ることができます。
和解のデメリット
和解にはたくさんのメリットはありますが、もちろんデメリットもあります。
最近では任意整理に応じない債権者も多くいますし、自己破産や個人再生など他の債務整理に比べると減額効果が高くありません。
また信用情報に載ってしまうというのが一番のデメリットと言えるでしょう。
個人信用情報機関に載る(ブラックリスト)
信用情報とはクレジットカードやローンなどの信用取引に関する内容、返済状況、残高などの情報のことを言います。
その信用情報を取り扱う機関を個人信用情報機関と言います。
任意整理をすることで、その情報がJICCと呼ばれる個人信用情報に載ってしまいます。
これがいわゆるブラックリストと言うものです。
ただし、3ヶ月以上の支払い延滞を起こした時点で、その意味を表す異動という表記をされてしまうので、任意整理を行わなくてもブラック属性になってしまいます。
具体的に何ができなくなるのか?
信用情報に任意整理の情報が載ると、新規の借り入れやカードの利用が出来なくなります。
和解の契約を破るとどうなるの?
せっかく和解が成立したのに、その後に再び返済が困難になった場合はどうすれば良いのでしょうか?
契約内容によりますが、ほとんどの場合「延滞額が毎月の支払額の2回分以上となった場合は、当然に期限の利益を喪失する」となっています。
つまり、今までのように分割払いではなく一括返済する必要があります。
また、内容によっては残額に利息を加算する場合もありますので注意が必要です。
ただし、再度任意整理をしたり、他の債務整理をすることも可能なので、支払いが困難になったら強制執行される前に、担当の専門家に相談をするのが先決です。
和解後の信用情報は何年で回復する?
最後に、和解後の信用情報は何年でなくなるのか気になる方も多いと思います。
信用情報は5年程度で回復します。
永遠にブラックリストとして登録されるわけではないので安心して下さい。
どうしてもクレジットカードが欲しくなってしまった場合は、「ブラックリストの人がクレジットカードを作れる方法」を参考にしてみてください!
5年というのは法律で定められた期間ではないので、もっと早くクレジットカード審査に通る可能性もあります!
審査に自信がない方
どうしてもクレカが欲しい人にお勧めの一枚。選ばれている理由とは?
現在収入がある方に有利
過去の履歴より「現在の収入」を重視して審査
クレジットカードの代替案
代替案としてバンドルカードという選択肢も!