クレジットカードでの国税納付はお得?というと正直微妙
2017年1月4日(水)より、皆さん待望の国税をクレジットカードで納付できるようになりました!
このページでは、
- 国税は本当にクレジットカードで支払うべき?
- 従来の銀行振込み等の支払い方法より本当にお得なの?
について探っていきます!
これまでもクレジットカードで支払えていた税金
これまでも地方自治体に支払う一部の税金についてはクレジットカード対応されていました。
例えば、
- 普通徴収の住民税、国民健康保険料
- 固定資産税、都市計画税
- 自動車税、軽自動車税
- ふるさと納税
などが挙げられます。
それに加えて今回(2017年1月)から、一部の国税が加わったということですね。
2017年1月からカード納付できるようになった税目は?
追加された税目 | ||
---|---|---|
申告所得税及復興特別所得税 | 消費税及地方消費税 | 法人税 |
法人税(連結納税) | 地方法人税 | 地方法人税(連結納税) |
相続税 | 贈与税 | 源泉所得税及復興特別所得税(告知分) |
源泉所得税(告知分) | 申告所得税 | 復興特別法人税 |
復興特別法人税(連結納税) | 消費税 | 酒税 |
たばこ税 | たばこ税及たばこ特別税 | 石油税 |
石油石炭税 | 電源開発促進税 | 揮発油税及地方道路税 |
揮発油税及地方揮発油税 | 石油ガス税 | 航空機燃料税 |
登録免許税(告知分) | 自動車重量税(告知分) | 印紙税 |
※参考URL:国税クレジットカードお支払サイト
国税は本当にクレジットカードで支払うべき?お得になるの?
ここから本題ですが、税金をクレジットカードで支払えるようになると喜ぶ人が多いのは、クレジットカードのポイントやマイルが貯まるからです。
ほとんどのクレジットカードにはポイント制度があって、例えば楽天カードですと支払い代金の1%が楽天ポイントとして還元されます。
例えば、毎月10万円分クレジットカードで支払っている人は、その1%の1000ポイントが楽天ポイントとして自動的に貰えるのです。
その1000ポイントを使えば、楽天市場でお得にお買い物できます。
ですから、現金で支払うよりも、クレジットカードで支払った方がお得というわけですね。
そこに「税金のカード払い」が加わるわけです。
納税の義務は仕方ないとして、支払っても何のメリットもなかったところに、クレジットカードのポイント還元というメリットが加わるので、どう考えたってお得なはず!
なので皆さん喜んでいる方が多いのですね。
ですが、残念なことが一点あって、何と国税のクレジットカード納付には手数料がかかってしまうのです。
決済手数料について
政府が自ら決済するわけにはいかないので、国税庁長官が指定した納付受託者がクレジットカード支払いについては担当します。
今回の場合は、「トヨタファイナンス株式会社」です。
トヨタファイナンスは営利企業ですから、無料で行うわけにはいきません。
ですから、クレジットカード納付を利用したい人たちから、下記のように0.82%の決済手数料を徴収するというわけですね。
納付額 | 決済手数料(税込) |
---|---|
1円〜1万円 | 82円 |
1万1円〜2万円 | 164円 |
2万1円〜3万円 | 246円 |
3万1円〜4万円 | 328円 |
5万1円〜5万円 | 410円 |
※以降も1万円ごとに82円が加算されます。
ポイント還元率1% 対 決済手数料0.82%
楽天カードを始めとして使えるクレジットカードのポイント還元率は1.0%が相場です。
それ以上良いものは改悪されて、どんどんと少なくなっていますし、セゾンの永久不滅ポイントは0.5%しかありません。
それでは、ポイント還元率1.0%のクレジットカードで国税10万円分を納付した時のことを考えてみましょう。
- 貰えるポイント:10万円×1.0%=1000ポイント(実質千円分)
- 決済手数料:10万円×0.82%=820円
となります。
たった180円分の差しかないのです。
お得はお得ですが、いちいち従来の銀行振込みから支払い方法を変更してまでやりたいというモチベーションは湧きませんよね。
ちなみにポイント還元率ごとに、お得さをまとめてみました!
【納付税額が10万円の場合】
ポイント還元率 | ポイント | 決済手数料 | 差額 |
---|---|---|---|
1.0% | 1000円分 | 820円 | 180円お得 |
1.5% | 1500円分 | 820円 | 680円お得 |
2.0% | 2000円分 | 820円 | 1180円お得 |
ここからわかることは、10万円払う場合でも、少なくともポイント還元率が1.5%以上ないと、それほどお得感ないですよということです。
なので、お得なクレジットカードをお持ちの方は、カード納付にチャレンジしてみてください。
そして、ポイント還元率1.0%のクレジットカードの方は、それほど無理してカード払いに切り替える必要はないと思います。
【参考】住民税をクレジットカードで支払う場合
毎年6月になると「住民税の通知書」が届く方も多いのではないかと思います。
今回、国税のことを調べたので、住民税のクレジットカード払いはどうなのか?
ということが気になり届いた通知書を見てみました。
住民税のクレジットカード払いは「ヤフージャパンの公金支払い」を利用して支払うことができます。
ですがやはり決済手数料がかかってしまいます。
決済手数料は以下のように明記されていました。
【納付金額あたりの決済手数料】
- 1円〜1万円:0円
- 1万1円〜2万円:108円
- 2万1円〜3万円:216円
- 3万1円〜4万円:324円
- 4万1円〜5万円:432円
- 以降、1万円増えるごとに108円ずつ加算
つまり住民税が1万円以内の方でしたら、決済手数料は無料ですが、それ以上の方ですと1万円増えるごとに108円がかかります。
1万円で108円ということは、つまりポイント還元率1%とほぼ同等ということです。
楽天カードなどのポイント還元率1%のクレジットカードで支払ったとしても、ポイント取得できる分が決済手数料で相殺されてしまうのです。
ポイント還元率0.5%のクレジットカードで支払ってしまったら、むしろ決済手数料の方が多くなりマイナスになってしまいます。
それでしたら、決済手数料が無料の
- ペイジー
- コンビニ決済
などで支払った方が無難ではないでしょうか。
さらにもう一点、税金のクレジットカード納付には、利用を難しくしてしまっている点があります。
それが上限金額です。
注意点!国税とカードの2つの上限金額
国税のクレジットカード納付には、1000万円までの上限金額が設定されています。
「1000万円もあれば十分でしょ?」
と思われるかもしれませんが、注意すべきはクレジットカードの方の利用限度額なのです。
クレジットカードの利用限度額について
クレジットカードには利用限度額と言って、「毎月いくらまで使って良いですよ」という金額が決められています。
利用限度額が100万円以上あれば、かなりカード会社から信頼されていると思います。
カード会社から信頼される為には、下記のような条件が必要になってきます。
- クレジットヒストリー(信用履歴)に悪い点がない、遅延、延滞履歴がない
- 長い年月そのクレジットカードを使い続けている
- 信用情報が良い(年収が高い、大企業、公務員、持家、既婚など)
ですが、それでも利用限度額100万円程度です。
500万円の税金支払にはとても対応できません。
なので、個人事業主(自営業)の方で多額の税金を収める方でも、利用限度額という問題があるので、なかなかクレジットカードでの納税は難しいのです。
国税納付が微妙な理由まとめ
上記の理由から、税金のクレジットカード支払いは、まだまだそれほどお得感がないなと感じています。
今後、
- 決済手数料の無料化
- 2つの上限金額の撤廃
などが起これば一気に便利になりますので、私個人としては、その時まで待ちたいと思います。
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