奨学金の滞納は深刻な問題になる

奨学金の返済を滞納するとどうなる?

昔は、携帯電話の使用料を支払わなくても大きな問題にはならなかったのですが、奨学金に関しても昔は滞納しても人生プランがおかしくなってしまうような問題にはなりませんでした。

 

ですが、奨学金を取り扱っている独立行政法人「日本学生支援機構」が、2008年に全国銀行個人信用情報センター(JBA)という個人信用情報機関に加盟しました。

 

このことが、滞納をしてしまった時の影響を非常に大きなものにしてしまうのです。

 

CRINでつながる情報機関

個人信用情報機関は、その役割によって、

  • CIC(クレジットカード)
  • JICC(消費者金融)
  • JBA(銀行関連)

に分かれています。

 

日本学生支援機構が加盟したのはJBAだから大丈夫じゃないかと一瞬思ってしまいますが、厄介なことに?CRIN(Credit Information Network)というネットワークが存在しています。

 

CRINの仕組み

 

これは、上記の各情報機関に登録された個人の信用情報を、相互に見ることができるようにする為に作られました。

 

つまり、奨学金を滞納してJBAに登録されたネガティブな情報は、クレジットカードを申し込む時にも、消費者金融を利用する時にも影響してきてしまうのです。

 

もちろん住宅ローンなども言わずもがなになります。

 

滞納何ヶ月目から登録されるの?

クレジットカードと同じで、毎月の支払いを正常に行っていれば、それは良い履歴を積み重ねることになります。

 

それでは、どれくらい滞納するとブラックリスト入りしてしまうのでしょうか?
「3ヶ月以上」となっているので、カードと同じですね。

 

1ヶ月目、2ヶ月目の滞納の時点で、何とか毎月の収入が入ってくるように立て直すことができれば、その後の影響を小さなものにできます。

 

延滞4ヶ月以上からは、日本学生支援機構が直接動くのではなく、民間の債権回収会社が出てきます。
プロの債権業者による回収が始まるということですね。

 

延滞9ヶ月以上になると、裁判所から「支払い督促」が届く可能性が出てきます。
法律に慣れていない20代中盤の若い方にとっては、民事訴訟は大きな衝撃です。

 

督促状を受け取ると、良くも悪くも「何とかしてでも返済しなければならない」と思う方が多いです。

 

 

上記に書いたように3ヶ月でブラックリストに入れられ、滞納8ヶ月目までは民間の債権回収業者に委託され、それでもまだ支払われない場合は民事訴訟を起こされます。

 

返済できるのに支払わない場合は繰り上げ一括請求

奨学金を返済したくても、経済的な理由で支払えない方ではなく、意図的に返済しない方もいます。

 

日本学生支援機構がそのように判断した場合は、繰り上げ一括請求が起こされます。

 

これは、例えば、半年間滞納した時点で、その半年間分の支払い分だけでなく、借りている奨学金全額の請求を一括でされてしまうことを意味します。

 

中小の消費者金融などでは、「契約書に一度でも滞納したら繰り上げ一括請求」というような文言が書かれていることが多いのですが、それと全く同じことです。

 

また、返済する余裕がなくて支払っていない方に対しても、繰り上げ一括請求が行われる可能性はありますのでご注意ください。

 

さらに支払わなかった場合は差し押さえも

最終的には強制執行が行われ、財産や給与が差し押さえられることになります

 

決して、そこまで問題をこじらせずに、日本学生支援機構に相談し「返還期限猶予」や「減額返還」を受けることを検討しましょう。

 

同意書のサインによる違い

ただし、このルールに変わったのが2008年ですので、それ以前に奨学金を利用した方で、日本学生支援機構から送られてきた「同意書」にサインをしていない方に関しては、個人信用情報機関に登録されることはありません。

 

これから利用する方は、同意しないと奨学金を貰えないので仕方がないのですが、2008年前後でペナルティの重みが違いすぎるのが不公平に感じます。

 

日本学生支援機構の公式見解

日本学生支援機構の公式ホームページには、「延滞3ヶ月以上で個人信用情報機関に登録される」と書かれています。

 

その影響範囲も、

個人信用情報機関に延滞者として登録されると、その情報を参照した金融機関等がその人を「経済的信用が低い」と判断することがあります。それによって、クレジットカードが発行されなかったり、利用が止められたりすることがあります。そのため、各種料金(公共料金や携帯電話等)の引落し、ショッピング(インターネット含む)やキャッシング等ができなくなる場合があります。
また、自動車ローン及び住宅ローン等の各種ローンが組めなくなる場合があります。

と書かれています。

 

時効はあるの?

奨学金にも消滅時効はありますが、期間は10年と短くありません。

 

さらに、

  • 裁判上の請求を起こされた場合
  • 自ら少しの額でも返済を行った場合

は時効期間がリセットされてしまい、また0からのスタートとなりますので、奨学金で時効を迎えるというのは非常に難しいです。

 

また、上記にも書いた通り個人信用情報機関にブラックリスト(異動)として登録されるので、

  • クレジットカード
  • キャッシング、消費者金融
  • 自動車ローン、住宅ローン

とあらゆる金融関連の審査に悪影響を及ぼしてしまいますので時効の道は険しいです。

 

ただし、完済した場合でも5年間は個人信用情報機関に、延滞をしていた情報は残ります。
参考:ブラックリストを解除・消したいならクレヒスの確認から

 

なぜこのような強い態度に出るようになったか?

昔から苦学生の強い味方であった奨学金ですが、利用者が滞納したとは言え、なぜこのようなクレジットカードやキャッシングなどと同じような仕組みを取るようになってしまったのでしょうか?

 

理由は2つあります。

 

(1)日本育英会が廃止されたから

2004年に日本育英会が廃止されるまでは、あくまで奨学金というのは苦学生の為の支援が主な目的でした。

 

ですが、奨学金事業を引き継いだ日本学生支援機構は、キャッシング会社や消費者金融、カードローン会社と同じように個人信用情報機関を利用しています。

 

つまりは金融事業の色合いが濃いのです。
それが悪いことではありませんが、ビジネス的な要素が強まったことが影響しているのは確かです。

 

(2)日本の環境が大きく変化してしまったこと

昔は大学を出れば、ほぼ必ずどこかしらには就職できていたので、奨学金の滞納件数も、独自に対応できる件数だったのだろうと思います。

 

ですが、最近は大学を出ても就職しない・できない学生が増え、またすぐに仕事を辞めてしまう人も増加しています。
そういった背景から、日本学生支援機構が対応できるレベルを超えてしまったのでしょう。

 

これは日本だけの問題ではなく、アメリカでも同様のことが社会問題となっています。

 

最後にクレジットカードと絡めた注意点としては、もし奨学金を滞納してしまった場合は、その滞納分を返済してからでないと審査には、ほぼ通らないと思います。

 

完済後は、またゼロから自分のクレジットカードヒストリーを作っていけば良いと思います。

 

日本学生支援機構の奨学金の種類について

ちなみに奨学金の種類には、

  1. 第一種:無利息
  2. 第二種:利息を支払う必要あり

の2パターンがあります。

 

第一種は、

特に優れた学生及び生徒で経済的理由により著しく修学困難な人に貸与します。

とあるので、いわゆる元来の奨学金の意味に近い成績優秀者に貸し出される支援金です。

 

第二種は、利息が発生するのでいわゆる学生ローンとほぼ同じです。
学生ローンと異なるのは、貸金業の審査がスコアリングシステムで行われるのと違って、学業成績寄りで判断されることです。

 

このような特に優れた学生以外にも奨学金制度が利用できるという仕組みになっていることも、滞納件数が爆発的に増えてしまっている根本的な原因にもなっています。

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